1. SaaSライセンス管理とは
SaaSライセンス管理とは、社内で契約している各SaaSのライセンス(利用権)の数や利用状況を把握し、無駄をなくして最適化する取り組みです。多くのSaaSは「1人あたり月額○○円」というように、利用人数(ライセンス数)に応じて課金されます。このライセンスを適切に管理しないと、使われていない分にまで、毎月お金を払い続けることになります。
SaaSは手軽に契約・追加できる反面、「一度契約したライセンスが、使われないまま放置される」ことが頻繁に起きます。SaaSライセンス管理は、こうした「見えない無駄払い」を発見し、コストを最適化するための取り組みです。SaaS全体の統制(SaaS管理とは)の、重要な一部でもあります。
2. コストの無駄はどこで生まれるのか
| 無駄の原因 | 内容 |
|---|---|
| ① 退職者分のライセンス | 退職・異動した人の分を解約し忘れ、払い続けている |
| ② 使われていないライセンス | 契約したが、実際にはほとんど使われていない |
| ③ 重複契約 | 似た機能のSaaSを複数契約し、機能が重複している |
| ④ 過剰なプラン | 使わない上位機能つきの高額プランを契約している |
| ⑤ 契約数と利用者数の乖離 | 「念のため」多めに契約したライセンスが余っている |
とりわけ多いのが、① 退職者分のライセンスと② 使われていないライセンスです。退職者のSaaSアカウントを止め忘れると、そのライセンス料を払い続けることになります。しかもこれは、単なるコストの無駄にとどまりません。止められていない退職者アカウントは、セキュリティ上の侵入口でもあるのです。つまり、ライセンスの無駄は、コストとセキュリティの両面で問題を生みます。SaaSが多い企業ほど、こうした無駄が積み重なり、年間で相当な金額になっているケースが少なくありません。
3. ライセンス最適化の4ステップ
- STEP1 棚卸し:契約している全SaaSのライセンス数と、実際の利用状況(誰が、どれくらい使っているか)を把握します。ここで「使われていないライセンス」が可視化されます。
- STEP2 不要分の削減:退職者分、未使用分、重複分を洗い出し、解約・削減します。多くの企業で、ここで大きなコスト削減が生まれます。
- STEP3 プランの見直し:実際の利用実態に合わせて、過剰なプランを適正なものに変更します。
- STEP4 継続的な管理の仕組み化:入退社に連動してライセンスを自動で増減させ、無駄が再発しない仕組みを作ります。
ポイントは、STEP4の「仕組み化」です。棚卸しで一度削減しても、放置すればまた無駄が積み上がります。入退社に連動してSaaSのアカウント(=ライセンス)を自動で発行・削除する仕組みがあれば、退職者分の払い続けも、止め忘れも、根本からなくせます。
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4. コスト削減とセキュリティは同じ根っこ
SaaSライセンス管理は、一見「コスト削減」の話に見えます。しかし、その根っこは、セキュリティと同じです。両者を分けて考える必要はありません。
考えてみてください。「退職者のライセンスを止める」ことは、コスト削減であると同時に、「退職者アカウントという侵入口をふさぐ」セキュリティ対策です。「誰がどのSaaSを使っているかを把握する」ことは、ライセンス最適化であると同時に、シャドーITを発見するセキュリティ管理です。SaaSのアカウントを適切に管理する——ただそれだけで、コストとセキュリティが同時に改善するのです。この共通の根っこが、「ID・アカウントの一元管理」です。
そして、この一元管理された認証を、フィッシングに強いパスワードレス認証(FIDO2/パスキー)で守れば、SaaSの利用は、コスト最適・安全・快適の三拍子がそろいます。入退社連動でライセンスを自動管理し、多数のSaaSのパスワードから利用者を解放し、フィッシングでのアカウント乗っ取りも防ぐ。米国NISTをはじめ世界のガイドラインが最終的に求める認証も、このパスワードレスです。ライセンス管理をきっかけにIDを一元化し、その認証をパスワードレスへ進める——それが、SaaS活用の理想形です。
5. まとめ
SaaSライセンス管理とは、SaaSの契約数・利用状況を把握し、無駄なコストをなくす取り組みです。退職者分・未使用分・重複契約・過剰プランといった無駄が、知らぬ間にコストを膨らませています。棚卸し・不要分の削減・プランの見直し・仕組み化という4ステップで、ライセンスを最適化することが重要です。
そして、ライセンス管理の根っこは、セキュリティと同じ「ID・アカウントの一元管理」にあります。退職者のライセンスを止めることは、コスト削減であり、同時に侵入口をふさぐ対策です。一元管理された認証を、フィッシングに強いパスワードレス認証で守れば、SaaS活用はコスト最適・安全・快適を同時に実現します。世界のガイドラインが最終的に求めるのも、このパスワードレスです。まず自社のSaaSライセンスを棚卸しし、無駄と侵入口を同時に見つけましょう。進め方でお困りなら、専門家にご相談ください。