SCS評価制度

SCS評価制度対応でよくある失敗8選【2026年版】
つまずくパターンと回避策

2026年7月31日 読了約10分 Net Peace セキュリティチーム SCS評価制度, 失敗, 回避策

制度情報について(最終確認日:2026年7月31日)

本記事は、IPAおよび経済産業省が公開している資料を基に作成しています。SCS評価制度の詳細(要求事項・評価基準・費用・開始時期等)は今後変更・詳細化される可能性があるため、最新情報はIPA公式ページ経済産業省をご確認ください。なお、他フレームワークとの対応づけや、多要素認証・FIDO2・特権ID管理(PAM)等の個別技術は、制度が求める要求事項を満たすための実装・整理手段としてNet Peaceが推奨するものであり、特定の製品・技術・対応関係を制度上の規定として断定するものではありません(「制度上の要求事項」と「当社の推奨・整理」を分けて記載しています)。

なぜ多くの企業がつまずくのか

SCS評価制度の準備を始めた企業が陥りやすい失敗には、共通のパターンがあります。多くは「制度を情報システム部門だけの技術課題と捉える」ことに起因します。SCS評価制度は技術・組織・人の対策を横断するため、進め方を誤ると手戻りが大きくなります。本記事では、典型的な失敗と回避策を整理します。着手前に一度目を通しておくことで、遠回りを防げます。

よくある失敗8選と回避策

失敗1:情シス任せにしてしまう

ガバナンス・教育・委託先管理・経営関与といった非技術の要求事項が抜け落ちます。回避策:経営層・人事・調達を巻き込み、分野ごとに担当部門を割り当てる(対応マトリクスの部門別役割分担を活用)。

失敗2:★4からいきなり狙う

基礎(★3)が固まらないうちに★4を目指し、負荷が過大になります。回避策:原則★3で土台を固めてから★4へ。両者の違いは★3と★4の比較(★4取得ロードマップ)を参照(★3=26要求事項・有効期間1年、★4=43要求事項・有効期間3年)。

失敗3:ツール導入で満足してしまう

製品を入れただけで「対応済み」と誤解し、規程・運用・記録が伴わないケース。回避策:ツールは実装手段の一つ。単一製品でSCS全体には対応できないことを前提に、規程と証跡をセットで整える。

失敗4:証跡を後からまとめて作る

評価直前に記録を作成し、日付や実施の実態と合わず信頼性を欠きます。回避策:実施の都度、日付・実施者・承認を記録。可能なものはシステムから自動取得(証跡テンプレ集)。

失敗5:退職者アカウントが放置される

棚卸しの仕組みがなく、退職者や異動者のアカウントが有効なまま残る典型的リスク。回避策:人事手続きと連動した無効化フローと、定期的なアクセス権の棚卸しを実施。

失敗6:MFAを一部にしか適用しない

重要システムの一部が単要素認証のまま残り、フィッシングの穴になります。回避策:適用範囲を一覧化し、フィッシング耐性の高いFIDO2・パスキーへの移行を計画。

失敗7:委託先管理を契約書だけで済ませる

契約条項はあるが、実際のセキュリティ状況を確認していない。回避策:セキュリティ調査票で状況を確認し、再委託先まで管理を求める(委託先管理)。

失敗8:バックアップの「戻せること」を試さない

取得はしているが、リストア試験をしておらず、いざという時に復旧できない。回避策:定期的なリストア試験を実施し記録を残す。ランサムウェア対策として3-2-1ルールを(バックアップ・BCP)。

失敗を防ぐ着手前チェック

  • 分野ごとの担当部門を決めたか(情シス任せになっていないか)
  • まず★3から始める計画になっているか
  • 規程・記録・ログの3点セットで証跡を残す運用になっているか
  • 退職者アカウントとアクセス権の棚卸しの仕組みがあるか
  • MFAの適用範囲を把握しているか

まとめ

SCS対応の失敗の多くは「範囲の見落とし」と「証跡の後付け」に集約されます。まず自己診断チェックで12分野の現状を可視化し、対応マトリクスで担当と証跡を決め、ギャップ分析で優先順位をつける——この順序が遠回りを防ぐ近道です。ID・認証・アクセスまわりの棚卸しや証跡取得を効率化したい場合は、Keyperのような基盤の活用や、無料診断もご検討ください。

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